5年生存率の僅かながらのアップに貢献できたのも
束の間の5月初旬に食道がんが見つかり、
またしても5年の歳月を待つようになりました。
今回のがんは食道の上部に近い場所で、
前々から異形上皮が多く見つかっており主治医が
「近いうちに、がんでなくても切除しようか」と
お話していた場所です。
ただ、昨年の11月の検査では生検も無かったので
今回病変が2cmと比較的大きく、
主治医も前回の検査に疑問を持っている様子でした。
手術が一か月後の6月中旬と決まったので、
手術前に診察をお願いして過去5年間のお礼と
今回の手術を含めて今後5年間お世話になることへの
僅かながらの気持ちをお渡ししました。
この事から、今回の手術は当然主治医が
執刀してくれるものだと思い込み
安心してその日を迎えようとしていました。
手術当日も安心感に包まれながら手術台に乗り、
途中で全身麻酔に切り替える場合もある
と言う事でその準備もしていましたが、
主治医から安定剤だけでも
大丈夫だろうと言うお話を聞き
益々安堵して眠りにつきました。
(5年前の下咽頭がんでの全身麻酔の手術後に
非常に嫌な思いをしているため、
全身麻酔に対して恐怖感を持っていました。)
安心感の中での手術中に突然、咽て目が覚めてしまい
朦朧とする中で起き上がって咳き込んでいる自分を
手術後に思い出しました。
目が覚めたのはその一瞬で
あとは眠ってしまった様です。
手術が終わり起こされた時にお弟子さんが
何か慌てふためいた状態で、
私の患部からとった病変を床に落としてしまった
ようでしたが、主治医が
「大丈夫だ」と言ってなだめていました。
この一連の成り行きから、
今日の手術はお弟子さんにやらせた事は明白です。
病室に帰った後主治医から病変を4cm四方取ったので、
食道狭窄が起きる可能性が有り
ステロイドの注射を打ったので
しばらく様子を見たいとのお話がありました。
私はこの時、全身麻酔をしなかった事による
医療事故だと思いましたが
5年間お世話頂いたことへの感謝の気持ちが勝り、
この後もこの思いは口には出しませんでした。