ここまで来ると、いわゆる「まな板の上の鯉」に
なった気分で、いい意味での開き直りが
出てくるようになりました。
一年近く、治療中・治療後もずっと心配であった、
大腸内視鏡検査を今回の診察時に主治医に
お願いした処、
快諾して頂き翌月に行う事になりました。
大腸検査では、EMRが当日行われましたが
二週間後の主治医の診察で良性のポリープであった
とのご報告を受け一先ず安心しました。
二回目定期観察が四か月後のスケジュールで組まれ、
奇しくも先に定期観察を行ったがんセンターでの
二回目定期観察と同月となりました。
「グレーゾーン」の様子見と言うことも有り、
この四か月間は大変長く感じていました。
例の、首・鎖骨周辺の違和感や背中の痺れが
度々起こっては消えるという現象は相変わらずで、
その合間に、全く関係のないと思われる手足の痛みや
腸の辺りの痛みが有ったり消えたりで、
その都度不安感に襲われていました。
いよいよ定期観察月となり、先ずはがん研での
頸部超音波と上部内視鏡検査が行われました。
超音波検査は前回同様、担当医のニュアンスから
異常はなさそうでした。
内視鏡検査はがんと診断されてから、
初めて生検されませんでした。
生検されなかった事に妻と二人で
喜びをかみしめたものの、自分の内心では、
『もしかしたらグレーゾーンを見逃したのではないか』
と言う不安感が付きまとっていました。
がん研での検査結果の診察が行われる前週に、
国立がんセンターで血液検査とCT検査が行われました。
何れの検査も大きな問題は見つかりませんでしたが、
CT検査から肺にわずかな炎症が有るが、
気にするほどの問題ではないとの診察結果でした。
がんセンターの主治医から、病気の事を
あまり気にし過ぎず健康に留意して生活する様に
との指示が有りました。
次回の経過観察の診察が翌年の同月に組まれました。
一年先にしか主治医にお会いできない事への
不安感を感じましたが、同時に治療して頂いた
がんセンターの皆様に感謝の意を持ちながら
病院を後にしました。
翌週、がん研での検査結果の診察が有り
超音波・内視鏡とも問題は有りませんでした。
特に内視鏡検査では下咽頭がんの傷跡が
きれいになくなっていました。
口蓋のふたもきちっとできており、
食道がん跡も全く判らない程きれいな状態である、
との診察でした。
不安で心配であった「グレーゾーン」も
なくなっているとの診察でした。
定期観察の検査・診察は、これまでと同様に
四か月後に予約を入れて頂きました。
主治医に妻と共に感謝の気持ちを込めて
お礼を言いました。
今回の定期観察の診察結果から、
妻と二人、がん治療後では一番晴れやかな気持ちで
帰路に立ちました。