退院と食道ESD手術

退院当日は、今までと同様妻が迎えに来てくれ
電車で帰る事にしました。

抗がん剤治療の退院時はフラフラして歩ける状態では
有りませんでしたが、
今回は地に足がついてしっかり歩くことができました。

退院後1週間は、全粥と消化の良い物で過ごしましたが、
2週間目に入ってからは普通の
ご飯に戻し、おかず類も日毎に元に戻していきました。

心配であった出血も起きず
手術跡は順調に回復して行きました。

ただこの間、食事中に誤嚥による咽が1日数回起き、
その都度妻が心配をして背中を摩る
状況が続きました。

月が明けて、手術から1か月が過ぎる頃になると、
食事中は誤嚥に対する反応が良くなり、
うまく対応して殆ど咽なくなりましたが、
気を抜いている時(パソコンやテレビを見ている時等)に
自分の唾液や飲み物で咽る事が逆に多くなってきました。

退院1か月後の主治医の診察で誤嚥の状況を話すと、
手術によって下咽頭右側の通路が潰れてしまったので、
今後一生誤嚥に注意しながらの生活になるという事でした。

また、今回の手術後の病理検査はどうだったかの
話をされ、目で見えていた病変は全て削除したが
目視では判らない癌細胞が残っている可能性が有り、
転移の可能性は0では無いとの事でした。

翌月上旬に超音波検査をし、
転移の有無を精査することになり、
食道表在がんのESDをその後、
中旬の日程で行うことになりました。


下咽頭がんの手術がほぼ成功したこともあり、
ここに来て病気の事を今まで話していなかった
一番下の弟や友人にがんである事を話しました。

また、会社の直属の上司にも今後治療が続くことも有り、
自分ががん患者である事を話しました。

これからの手術となる食道表在がんに関しては、
会社の上層部にも話していなかったので
その内容と休みも二週間と今までの最短になる事を話し、
了承を貰いました。


食道ESD手術までの間、食道表在がんの発見から
4か月が経っている事への不安感が、
徐々に出始め心理的のものからか、
あっちこっちに違和感を覚えるようになりました。

食事を食べている最中や食べ終わった後に、
食道に違和感を覚へ、また背中の肩甲骨周辺に
痺れを感じていました。

下咽頭手術の前まで感じていた
鎖骨と鎖骨の中間の違和感も出たりしていました。

肩甲骨周辺以外の違和感は、
手術の前までにはなくなりましたが肩甲骨周辺の痺れ感は
この後三か月位続きました。

転移の有無を調べる喉周辺の超音波検査も無事終了し、
食道ESD手術の入院となりました。

今迄で一番不安感の少ない入院でしたが、
「万が一の備え」だけはして置きました。

入院当日の手術ため、
前回までの入院時より慌ただしい感はありましたが、
妻が的確に対応をしてくれ手術を待つばかりでした。

予定より一時間近く遅れての手術となりましたが、
臨床試験として了承した新薬の安定剤が良く効き、
声を掛けられた時には既に手術が終わっていました。

前回と同様で、手術後病室に戻って待っていると
主治医が来られて手術の経過説明と
取り除いた1㎝弱×1㎝弱の病変写真を見せて頂き、
「今回は全て取除いた」と
自信に満ちた説明を受けました。

次の日の昼から5分粥での食事が始まり、
前回より病変がかなり小さい事も有り
発熱もなく順調に回復して行きました。

このような状況の中で、
食前に飲む潤滑油的な薬が原因の下痢になってしまい
主治医の指示ですぐ飲むのを止めましたが、
退院後も一週間ほど下痢に悩まされました。

主治医から、便秘よりいいと言う言葉を頂きましたが、
入院中は腹痛も伴っていたので
少し辛い思いをしました。